パリ在住オタクのおしゃれでない日記

パリジェンヌとは程遠いオタクです。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 小説5巻

アニメ化を記念して、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」の原作小説を振り返っています。今回は5巻の感想(ネタバレあり)です。

お楽しみの9巻発売までに全巻の感想を上げられたらいいのですが。ひたすら長文です。

 

 

5巻は各キャラにスポットを当てた短編集なので、どのキャラが好きな人でも楽しめる良いとこ取りの楽しい巻です。

まずはジオルドから。

ジオルドのことを大好きなご令嬢が登場、まさかのライバル出現!!!!というお話です。とにかく色んな種類の微笑みを見せてくれる腹黒王子が必読です。

きな臭い冒頭…からのカタリナのくしゃみ。「ぶぇくしょんですわ」とくしゃみをすれば淑女らしくなるかしら?と考えるカタリナは相変わらずです。今回のお話は、魔法学園入学直前。カタリナは、そろそろ交友関係を広げなさいという父からの勧めと、キースの独断と偏見のチョイスでとある舞踏会に出席することに。それを聞いたジオルドはずっと微妙な顔(笑)対するキースは微笑んでいます。いつもと立場が逆!今回の舞踏会は、婚約者であるジオルドではなくキースがカタリナをエスコートすることになりました。

そこで出会うのが冒頭に現れたライバルご令嬢。カタリナに威勢よくジオルド奪還の宣戦布告をするのですが、ピンチにすぐ駆けつけてくれるキースがとても頼りになってかっこいい。キースにご褒美のハグ…ただし舞踏会の場で(その後お母様からお説教コース)「大好きよ!」なんてカタリナが言うの、女子を除けばキースだけじゃないでしょうか。キーカタ本当に尊い。いつも自分の恋沙汰には鈍いのに他人の恋愛事情は非常に敏感なカタリナ、現れたご令嬢がジオルドと自分の婚約をよく思っていないことに気付きます(でもすぐに忘れる)

舞踏会の出来事を「非常に非常に不快」に思いつつも、律儀に婚約者のジオルドの元へと報告しに行くキース。偉い。ここから王子様の微笑みの連続です。①最初にキースを出迎えての笑顔②「その美しい眉を少し寄せた」王子は「目の笑っていない笑顔」③話を聞いて苦笑するジオルド④説明する王子は「とてもよい笑顔」だけど「背中がぞわりと」してしまうキース⑤「再び胡散臭いいつもの笑顔」に戻るジオルド⑥またも「背がぞわりとする笑顔」をキースへ向けるジオルドと短いシーンに6回も、王子は色んな微笑みを見せてくれます。

このシーン、ジオルドだけでなくキースの心中描写もとっても好きです。カタリナのことを「それはそれは特別な存在」と言い切ったり、ジオルドの嫌味を流しつつも彼の性格の悪さを内心ディスります。大好きです。あと令嬢たちの嫌がらせを気にしないカタリナも好き。

そして次の舞踏会、カタリナはジオルドにエスコートされながらも臨むのですが、またしてもライバル令嬢が登場します。ライバル令嬢目線のジオルド、いつにもまして美しいこと…えっこっちを見て微笑んだ!ここは漫画でぜひ拝見したいところです。

その後は最強コンビのメアリ&ジオルドの見せ場です。メアリかっこいい。「迫力」があり「目で命令」するなんて…もう、メアリ様めちゃくちゃ好きです。メアリ、どのルートでも幸せになれるのはこういう凛々しさから来るのでは。正ルートでアランとマリアが結ばれても、きっとメアリなら別の素晴らしい人が現れて幸せにしてもらえるんだろうな、と考えます。

カタリナの「夫としてお礼をさせて」ほしいジオルド。このあたりのメアリ&ジオルドの牽制し合う会話が素晴らしいです。このコンビ良い…「見惚れるような美しい微笑み」を浮かべるジオルドは、ここでもさまざまな微笑みでライバルご令嬢を魅了します。

最後はオチが秀逸です。このオチが好きすぎて、シリーズ通して個人的に一番好きなお話。そのため、無駄にこんな長文を書いてしまいましたよ……

 

こんな調子で全編終わるのでしょうか魔の5巻。続いてキースです。

ショタキーカタが大好物なみなさん、前半は天使のようにかわいいキーカタが 随所で見られます!

時はキース引きこもり事件の少し後。姉として弟の世話をどうしてもやいてあげたいカタリナは、健全な育児に必要なのはスキンシップだということで 色んな方法でキースへのスキンシップを図ります。ハグや頭撫でから始まり、どんどん過激になっていくカタリナ。間違ってはいないのですが、すでにカタリナへの思いを自覚しているキースにとってはさぞかし辛かったことでしょう。いや、おいしいんでしょうけれど。最終的には4巻のほっこり話に繋がり、幼少期のかわいらしいキーカタを思う存分摂取できるのが前半。後半はキース視点で、ショタの振り返りと成人直前のお話です。

無自覚なカタリナに振り回された(る)苦労を回想するキース。多感なお年頃ですから、過度なスキンシップは身に応えたようです。正ルートでのチャラ男はどこへ行ったのか、女好きのかけらもないピュアな男性に成長していました。そして「気が付けば緊張しすぎて自分から触れることができなくなってしまっていた」!手の早いどこぞの王子様に聞かせてあげたい。この、好きすぎて触れられないキーカタが最高に好みです!!

そんなもどかしいキースの目の前で、大胆不敵なジオルドはカタリナとのダンス中にハグ→首筋キスを見せつけます。キースだけでなくメアリも目を光らせているのに。怒った猫ちゃんのようにカタリナに駆け寄るキースがかわいいです。(この場面、漫画1巻でありましたがとっても良いですよね)跡がつくほどのキスって、相当強く吸わないとできないのでは…

いつでもジオルドとの婚約解消をできるように書類を作ろうとするカタリナに、余計なことをして煽るなと思わず止めてしまうキース。キース、かわいいよキース。

あと、カタリナ前世・野猿ちゃんのおじいちゃんがかわいそうすぎて泣けました。

 

アラン編。

時は進んで魔法学園卒業間近のアランとカタリナが、校内で穏やかに時間を過ごすお話です。

アランはとても真面目で律儀な性格なので、兄の婚約者であるカタリナには、決して表立ってアプローチしたり思いを告げることはありません。それでもアランといるカタリナも、カタリナといるアランも自然体で素敵です。それに兄との確執をなくしてくれたこと、人生の重みで考えるとこの片思いは非常に切ないです。

休日の学園内、芝生の上でお弁当を頬張るカタリナと偶然出会ったアランは、彼女に誘われるがまま一緒にピクニックをすることになります。カタリナの食レポの酷さが笑えるのですが、そんなカタリナに優しくツッコミながらもちゃんとおいしいと食べてくれる王子アランの素直さよ!ピュアなアラン…アランともカタリナは結ばれてほしい…

最後まで穏やかな時間、とはいかずお年頃のアランには刺激の強いカタリナの……で結びとさせていただきます。アラン、「大変な思い」って何ですか!そこのところ詳しく教えてほしいです!

このアラン編、小説はもちろんですがその次の漫画でアランの切なさが倍増します。「上手く笑えてるか?」なんてもう涙腺崩壊ですよ。さらに注目すべきは、カタリナだけでなくきちんとジオルドもアランを見て笑いかけているところです!ジオルドとアランの確執の話ももっと詳しく読みたいんですよね…はあ…双子王子かわいい。

バラを渡されそうになって逃げ回るカタリナも、きょとん顔のジオルドもみんなかわいいです。

 

マリアとカタリナのお料理教室(コミック)。髪をピンで留めているキースかわいい〜と思ったのも束の間、全編を通して顔を曇らせっぱなしでさらにかわいかったです!

マリアも天然で天使。自由奔放なカタリナにうまく付き合えるのは、ジオルドでもキースでもアランやニコルでもなく、やはり正ルートヒロインのマリアなのかもしれない…と思わせるほどの聖女っぷり。出来上がったクッキーを持って行った先は、戦々恐々としている双子王子でした。

ドン引きしているアランに、どんな時も笑みを絶やさないジオルドに笑いが止まりませんでした。きっとあのクッキーも、ヒロインマリアはおいしいと食べてくれた気がします!!

 

(わたしの)お待ちかねニコル編。

ニコルもアラン同様真面目な常識人なので片思いが切なくて苦しい。アランは幼なじみと婚約しているカタリナへの不毛な片思いを終わらせるため、そして愛する家族と家門を守るため、とうとう婚約者を決めるお見合いを始めることに。素敵な女性たちとお見合いを重ねるニコルでしたが、どうもカタリナと比べてしまって身が入らない。そんな中、最後のお見合いで出会った少女とニコルはひょんなことで打ち解けることになり…

時間軸は4巻のキース家出事件の前後で、共に旅立ったカタリナとジオルドの進展が気になってしまっている様子。途中、これからの結婚観のあり方や女性の社会進出のお話などが出てきて考えさせられました。時代遅れとニコルに言い放った少女(フレイ?)、この貴族社会ではかなり先見の明があると思われます。他人より先読みする力がある人は、ビジネスでもプライベートでも成功しますから、彼女なら大丈夫。

ニコルとニコルパパの会話が素敵です。さすが器の大きそうな宰相パパ、ニコルのことを信頼してそして愛してくれているんだな…と感動していると、お見合いを知らされていなかった激おこのソフィアが現れてニコルに驚きの過去を話してくれます。挿絵の兄妹が美形…

がんばれ、ニコル!わたしは魔性ニコルの猛アプローチがもっと見たいです!!

 

男性陣の最後はラファエル(&ソラ)編。

こちらはカタリナはほとんど絡まず、魔法省で苦労するラファエルのお話。社畜ラファエルのお話は心が痛くてあまり読めていません(笑)このまま社畜キャラでいくのでしょうか…

 

ショートコミックス。ガールズトークでの女子のパジャマ姿がとってもかわいいです。眼福。特に妄想がすぎるメアリが妖艶。

ボーイズトークもおもしろかったです。ジオルド、どろっどろに甘やかして時々いじめたいなんてドS王子…そんなジオカタが見たい…ジオカタ……ニコルがさらっと爆弾発言しています。影から見守るのも愛ってことでしょうか、切ない。ソラのオトナな一言にざわつくメンバーが笑えます。こんなにみなさんイケメンハイスペなのに、ソラ以外全員童貞どころかキスもままなってないわけですもんね。不穏な空気を漂わせてすぐに牽制するジオルドと違って、顔を赤らめているキースはやはりチャラ男性質が生まれながらにあるとみました。みんな好きです。

生まれ変わりの話は、メアリの王様姿がイケメンすぎて他が頭に入ってこなかったです。

 

女性陣の恋バナ編。こちら、なんとほとんど垣間見られないメアリとアランの胸きゅん話があるんですよ!メアリ&ジオルドのコンビが好きなわたし、でもメアリはどのルートでも素直な性格の人が好きなんですよね。変なことを書いてごめんなさい(でもやっぱりお似合いだと思う)メアリもソフィアもマリアもカタリナに負けずモテモテですよというお話。

 

 ずいぶんと長くなってしまったので、再録の感想はまた次の機会に…3巻・4巻に比べて倍以上書いてしまいました。5巻、どのキャラ好きさんにもおすすめです!!!

次の6巻感想はこちら↓

aomilk.hatenablog.com

 前4話はこちら↓

aomilk.hatenablog.com